発売中。
Shing02の最新アルバム「歪曲」や、志人(降神)×桜吹雪による「E.H.H.project」、Memory Storm "Shooting Stars"、JUSWANNA「BLACK BOX」などへの客演で確かな実績を積み、積極的なライブ活動や「歪曲巡礼」への参加などステージでも存在感を示してきたCHIYORI(チヨリ)が待望のソロ・ファースト・アルバムを発表。(6/24, 2009)
山梨県一宮町の桃源郷から来た音楽家集団、stillichimiya(スティルイチミヤ)が、最新音源「天照一宮」を発表する。
プロデューサーのおみゆきCHANNELと、stillichimiyaのラップが奏でる一宮産ワールドミュージックを堪能あれ。(4/4, 2009)
カリフォルニアを牽引するD.I.Y.ヒップホップクルー、リビングレジェンズのグラウチとイーライによる三度目の衝撃。
単刀直入でハイコンセプトなライムとフロウ、そして妥協無きビートが、完璧なバランスをもって混ざり合う14曲のコレクション。
2008年6月18日に発表されたアルバム「歪曲」のインスト集。新たにレコーディング、ミックスを施し、
楽曲解説を加えた仕様。2009年2月18日発表。
東京のレコーディング・スタジオ Top Billion Studiosに集まるアーティストの新曲ばかりを
集めたコンピレイション・アルバムと、そのミックスCD。DJ Top Billがミックスを手掛けた。
ポスト「400」、6年の制作期間を経て完成した日本語アルバム。
Shing02が歪曲された社会に叩き付ける、人源サンプリング集、2008年6月18日全国公開。
DJ Kensei氏が1998年に手掛けた伝説的ミックス・テープをリマスタリング。
オリジナル盤発売10周年・第二版として、原作 "TAGS OF THE TIMES 1" との2CDで再登場。
1998年発表のPEARL HARBOR / JAPONICA EPを再編成した作品。インスト+アカペラを完全補完。新たに三つの編曲を補充し、音と内容にアップデートが施された第二版。初版には付属されなかったカバー(アートワーク)が復活し、またブックレットには歌詞と対訳を掲載。
2nd. LP「HEAD)ROME」 発表を念頭に、Ari1010 プロヂェクトが本格始動。先行EPは、破戒セヨ, 凡脳劣等日本魔晄炉, ZERO(ver.RNTS1010)を収録。all songs produced by Mihara
日本を代表するビート・アーティスト KK が満を持して放つ 3rd. album。2000年発表の1st 「Vibration-Lo」から7年ぶりに、MC をフィーチャーしたリード・アルバムの発表です。feat. Ari1010, Candle, Dradons of Edin, K-Bomb, Shing02, 環ROY そして 国内外から deep な MC 達が参加してます。詳細を知ってください。
"街角ピエロ" でお馴染みの キャンドル が、ファースト・アルバム「街角ジゴロ」を発表します。ラップの全13曲。no bullshit。プロデューサーは国内外、と言っても日本とアメリカですが、気鋭プロデューサーが貢献してくれました。
Lo-Vibes Recordingsを主催するビート・アーティスト = KKと、Shing02 のストイック過ぎる組み合わせ。オリジナル・バージョンは、来年初頭に発表が予定されているKKのリード・アルバム「Light in a Fog」からの先行カット。他に、KKによるBell Remix、ベイエリアのDawgishtによるRemixを収録。アツイ。
Shing02の最新日本語アルバム・プロジェクト「歪曲LP」に先駆けて、先行シングル "泳遠 / ANOI" を発表する。全編が俳句のような奥深い歌詞と、ベクトル・オメガの進化したプロダクションに注目。Ras Takashi、Wicked YBらゲスト参加による多彩なボーナス・バージョンも用意。7inch (45)とCDで出ます。cdのリリース日は、5/26/2006、7inchは8/4/200。
Freestyle Fellowshipの一員として数々の歴史を築きあげてきたオリジナルp.e.a.c.e.が、ベイエリアの新鋭プロデューサー達とニュー・アルバム"Papa's Arcade"を制作している。その先行シングルが、The Knocks (Shing02 + Doc Max)がプロデュースを手掛ける"Twisted Tongue"だ。p.e.a.c.e.と言えばファンク。そして見事に融合したこのエレクトロ・ファンクは100聞の価値アリ。カップリングの"Mimosa"はメロウ・チューンで、ドライブやアウトドアなどで聞きたい。また、The Knocksが手掛ける"Twisted Tongue Friday Mix"は、パーティ好きとdj達に捧げる。
先駆けシングル"Avatar"をドロップさせたばかりのDJ Top Billが、12inchに続いて発表するCD EP。MC Shing02が"Avatar"を含む4曲でラップする。そしてTopのブレイク・ビーツがズラリと揃う。ダブ&ファンク、楽器とSPが融合したアルバムは、心地よさと安心感で聞ける。また、鍵盤シタールやメロディオン、キーを担当するのは、plants labelのラテン・バンドcopa salvoでキーボード奏者として活躍するEri Konishi。彼女のメロディとTopのダブの相性がやたらと良すぎる。そしてツアーなどでコラボしている、KAMIが手掛けるカバーと、期待がふくらむ。produced and scratches by DJ Top Bill (Circus DJs)
神出鬼没なライブ活動を行うMC、Candleがアルバムに先駆け12inchをドロップ。彼は日本のギャングスタ・ラップ、という人が居るらしいが、それは間違いでもないでしょう。言葉を詰めて煮詰めてフロウするCandleのラップに、アルバムが待ち遠しいって? そんなあなた、まずはこの盤を喰らいたまえ。produced by ari1010 / Vector Omega
<有事通信社>から届いた怪文書。日頃の政治的・社会的鬱憤をはらす渾身の一撃は、現在制作中のアルバム「歪曲」とは真逆なベクトルとも言える。既にe22.comで試聴可能なこの曲だが、ミキシング、そしてマスタリングによって、重低音・大音量指定のアナログ化に成功。DJ A-1とのEPに先駆け放たれる12inchシングル。produced & scratches by DJ A-1 (有事通信社 発)
3 Mealancholy Gypsys = Murs + Eligh + Scarub。アメリカ・カリフォルニアで人気・実力共に最強のクルー = Living Legendsの中でも最も充実していると言える最年少トリオ。彼らの「Gypsy's Luck」、「Live In Tokyo」以来となる渇望の最新作。レコーディングは昨年5月にロンドンで約1ヶ月かけて行われた、というより彼らの15年のMC人生の結晶だと思って間違いない。MCとは何なのか? 煮詰めて、突き詰めてきた答えがアルバムにある。MCアートの決定打。今回は、対訳にも時間を掛けたので、機会があれば英語の歌詞と見比べながら聞いて下さい。produced by Eligh, Magi他/ 歌詞・対訳付き (released on 6/25, 2005)
2003年、DJ Top Billの日本帰還から東京を拠点に活動を再開したCircus DJs。99年にITF日本を制した実力者DJ Kouと、「Prelude To One Dollar Store」の発表など多彩な才能を持つDJ Top Billが、2003年から2005年までにライブで披露してきたルーティーンを一枚のCDにまとめたもの。オールドスクール・フレイバ溢れるブレイクを二枚使い、そして2人で魅せるボディ・トリック、DJ KouによるMPCの乱れ打ちと華麗なスクラッチ、Top Billによるサンプルさばきに豪腕スクラッチ…。更に、ボーナス・ビデオとして、Circus DJsのライブ映像とアニメーションを織り交ぜたビデオ・クリップをMPEGムービーで収録している。
「Prelude To One Dollar Store」のプロデューサー、DJ、エンジニアとしても活躍している DJ Top Bill と、日本を代表するラテンバンドとして全国的に活躍する copa salvo のピアニスト、Eri Konishi のデュオ。ダブ、ラテン、ヒップホップ、アフリカ音楽などをルーツに、インストゥルメンタルで独自の音楽を展開している。ボーナスビデオとして "Sword Dance, Sword Play" のミュージックビデオ をMPEGファイルで収録したエンハンスド・ディスク仕様。Mary Joy ESP Divisionからの第三弾リリース。 (released on 6/29, 2007)
世界的なジャズ・オルガニスト/キーボード・プレイヤーであるKankawaと、超感覚的知覚でプレイするDJ Kenseiが、お互いの限界を超えて演奏を試みる宇宙的デュオ、Nude Jazz (ヌード・ジャズ)の記念すべきデビュー・アルバム「Cynodontia」。我々哺乳類の祖先であるキノドンがならす人類への警鐘。音楽人生を根底から覆す、衝撃作品。ボーナスビデオとして昨年の東京でのライブ映像をMPEGファイルで収録したエンハンスド・ディスク仕様。Mary Joy ESP Divisionからの第二弾リリース。 (released on 7/07, 2005)
Kosmic Renaissance (David Boyce, Sameer Gupta, Shing02) トリオの第一弾リリースは、DVDとCDのダブル・パッケージ。DVDには、Space Lab Yellow(6.10.2004)でのライブ映像と、Kosmic Renaissanceのインタビュー映像を収録。 CDには、恵比寿Liquidroomのグランド・オープニング(7.14.2004)でのライブ音源と、Yellowのライブの後半をオーディオで収録。 アート・ワーク、及びディレクションは鈴木ヒラク、フィルム・ディレクションは川口潤。この宇宙的セッションのアウトプットとして、Mary Joy ESP Division (ESP課)が設立された。MJ_ESPからは今後、DJやプロデューサーと、超絶ミュージシャンとのライブ・セッション音源や作品集をリリースしていく方針なのでヨロシクす。 (released on 5/13, 2005)
Mary Joy Recordings/MJ_ESPのカタログ一覧。年代の新しいもの順なので、歴史を追ってみたい人は一番下からドーゾ。ちなみに、コメントが二段あるとき、一段落目がMJの話題、二段落目は時事ネタ。
Mary Joy Recordings 10年目にして初の姉妹レーベル"Mary Joy ESP Division"の設立。"ESP"の語源は、Mary Joy Recordingsの標語である"Exspecto Sonitus Posterus" (未来の音を期待する)の頭文字と、"Extrasensory Perception" (超感覚的知覚, 超能力, 又は霊感の意)の頭文字ESP (エスパー)などから来ている。妥協無きHip Hop音楽を排出するMary Joyの本流は変えずに、第2ディビジョンとして設立されたアウトプット。我々には、Hip HopのプロダクションにJazzのエッセンスをサンプリング・ソースとして使用することは日常的である一方で、物凄い技術を持ったライブ・ミュージシャン達が、DJの台頭によって良いステージや良いオーディエンスを失いつつある現状もある。そのような超絶ミュージシャンと、Hip Hop界やクラブ界で活躍するDJやプロデューサーが、ライブやセッションを共有することによって、普段Hip Hopを中心に聞いている人達には新しい刺激を、そしてミュージシャンには良いオーディエンスを、という感じで未来に繋げていこうというという趣旨でMJ_ESPは始まっている。
2005年は、10年の節目、そして来年に繋がる重要な年であることは確かだ。99年から約6年間、リリースを続けてきたLiving Legendsが、"Almost Famous"以来のクルー・アルバムを完成させた。また、Murs, Eligh, Scarubのトリオも、10年越し?のフル・アルバムを発表。二つともかなり感慨深いリリースだった。また2003年頭に日本に帰還してきたDJ Top Billが、新たなMary Joyのファミリーとして加盟。今年5月に、まずは12"をドロップし、9月にはこれまで制作してきた曲をep "Prelude To One Dollar Store"として発表する。Candleも遂に12"をドロップ。来年にはアルバムの発表が予定されている。また、Shing02のスタンドであるVector Omega、そしてThe Knocksがプロダクションに参加しているp.e.a.c.e.のプロジェクトも秋に公開予定。エレクトロ・ファンク、Hip Hopの新機軸を提示できるでしょう。Shing02は3年ぶりの日本語フル・アルバム「歪曲」lpを発表予定。
4月に有限会社 Mary Joy Recordingsを設立。Shing02 "歪曲"lpの発表を念頭に、"歪曲新来(シングル)"を発表。遂に「歪曲」プロジェクトがベールを脱いだ瞬間だった。"歪曲新来"はシングルではあるが、アルバムのようなボリュームがあると思う。ではアルバムはどうなってしまうのか。6月、7月は、Shing02擁するFree Jazz Trio = Kosmic Renaissanceが11公演ツアーを回った。初日が日比谷屋音というとんでもない滑り出しであったが、毎晩違うライブ・セッションを2週間続け、内容はどれも素晴らしい演奏であった。その模様の一部は"Live In Tokyo" (MJESP-01)に収録されているので、興味のある人は是非。またShing02は、DJ A-1と制作した最新曲"2005"をインターネットで発表。その直後、DJ A-1と共にツアー; 学園祭見聞+αを敢行し、北海道〜九州をライブして回った。KAMIが手掛けたScarubのアルバム・カバーはMary Joyの新しい流れだと思う。
世間はKanye West一色。Kanyeも良いんだが、個人的にはDead Prez "RBG"やEyedea & Abilities "E & A"などを聞いていた。Project Blowedが10周年ということで年末にアニバーサリー・イベントが行われ、アルバムも発表された。7月14日にLiquidroomが恵比寿で再び始動。Kosmic Renaissanceが記念すべきオープニング・イベントで花を添えた。
この年の始めに前の会社から独立してスポンサー無しで事業を開始したという事情もあり、リリース量は少なかったが、仕事は増量。知人の紹介で東芝EMIの人と話すことが出来て、とても良い経験になった。レコード会社の組織力と組みすることは魅力的な選択ではあるが、そのパワーを活かせるかどうかはプロジェクト次第。皆さんもご存じの様に一番強力なプロモーションとは口コミである。それを改めて実感した一年だった。9月に発表したmix cd "s02 ltd exp mix"の発表直後に、Shing02 TrioとLive Humanの2バンドで回った小ツアーは有意義なものだった。Live Humanは、DJ Questを中心に、Albert、Andrewと3者の息のあった素晴らしいバンド。音楽の新しい可能性を見せてくれた。DJ Top Billがアメリカから帰還し日本で活動を開始。
OutKast "Speakerboxx/The Love Below"、Aceyalone "Love & Hate"、Murs "End of the Beginning"などが発表された。Koinuのリリース・イベントを手伝うことになり、DJ D-Styles、Eligh & PSC、Tha Blue Herb、DJ Kensei & DJ Quietstormらと共に、東京Liquidroom、大阪Bayside Jennyでの濃厚な二公演を回った。D-Stylesは超次元、Q-BertやMix Master Mikeとは別のベクトルで凄かった。数々の歴史を作ってきたLiquidroomが、2003年12月31日(正確には04年1月2日)をもって、新宿での長い時代を終えた。
2002年2月22日にShing02は、前作"緑黄色人種"から約3年ぶりとなる、"400"lpを発表。Terracottaバンドによる「緑黄色」三部作から一転して、サンプリングのみで構築されたVector Omegaのプロダクションが特徴的。パワーアップしたShing02は、曲毎に、テーマだけでなく、ラップのスタイルも変えているのだ。それから1ヶ月後の3月22日から23日にはリキッドルームで2 days liveを実施。Mary Joyに関係するアーティストが一同に集まった大集会。期間中、選手村、ならぬラッパー村と化した新宿・歌舞伎町は、かなり異様な光景だった。そして、夏に2度目となるShing02の全国ツアー "400 tour: whirldwind mode"を敢行、約2ヶ月に及ぶツアーを終え、Shing02はアメリカに帰還した。ツアーではShing02のアシスト役として活躍していたRDOは、シングル"還元/For Starters"を発表したが、アルバムを制作中に音楽活動を休止。いままで裏方的色の強かったLiving Legendsの司令塔Luckyiam.PSCが初のソロ・アルバム"Justify The Mean$"を発表。Elighのプロデュース・ワークといい、確実にクオリティの高いアルバムを放ち、リーダーとしての格を見せた。
Freestyle Fellowshipの一角、Mikah 9のオリジナル・ソロ・アルバム"American Nightmare"発表。Shing02はアルバム"400" lpに先駆けて、先行シングル"400"を発表。曲中に、"とんでもなくデカい問題の気配に囲まれて暮らす社会"という文があるが、9.11の後はそのような重苦しい雰囲気だった。またDry & Heavyとのセッション音源"My Nation"も発表で、"国家"の意味について考える。この秋から翌3月までにかけてMary Joyキャンペーンを実施。商品の中に入っているステッカーを10枚ためると、ライブの招待券、または限定Tシャツが貰えるという企画だった。
21世紀の幕明けは、一見何も変わらなかったように見えたが、水面下では確実に変化の兆しがある。9.11もその一つ。毎日のようにニュースを見るが、何が本当なのか分からない。田中宇著作「タリバン」を読んでまだメディアについて考えさせられた。以後、田中ニュースを愛読。政治に関して本気で発言したければ政治家になるか、そうでなければ自分のやれることをやるのみである。
Shing02の「緑黄色人種」が広まってきたところで、夏にShing02とTerracotta Troupeが初めてツアーを行った。なんと言ってもFuji Rock Festivalの規模の大きさに驚いた。Fuji Rockで川口潤さんがビデオを撮っていて、以来、Mary Joyのショウがある毎に彼にビデオ撮影を頼むのが習慣になっている。そんな映像も数年後にはDVDにしたいですね…。2月に3 Melancholy Gypsysとして初来日ライブを行ったScarubがソロ・アルバム"Heavenboud"を発表するなど、新しいアーティスト達が作品を発表した。私は、この年の多くの時間を、"Tags of the Times 3"の制作に使った。アメリカをいろいろ旅したり、blastの「付録」を作るために写真やインタビューをあつめたりした。オリジネイター達の発言には、目からウロコの連続だった。
Atmosphereが"Lucy Ford"を発表。SlugかBig Daddy Kaneか、見間違うくらいのアイドルになりつつあった。Living Legendsは、拠点をベイエリア(オークランド)からロサンゼルスに移し、Freestyle Fellowshipが再び録音やライブなどの活動を再開させていた。NYでは、El-P率いるDefinitive Juxが本格始動し、Can OxやAesop Rock、Mr. Lifらを束ねた。3月に、運ぶ音協会の一角である、栗原 大 氏が店長を務めていた日本の地下的Hip Hopの砦、Mr. Bongoがイギリス経済の余波により閉店となる。栗原氏はこののちTri-Eight Recordingsとしてレーベル活動に従事。Mr. Bongoがなくなり、地下的Hip HopをプレイするDJ達は求心力を欠いた。代わりに、Electronicaやlow beatのTechnoをプレイに取り入れ、個性を出すDJも増えた。盲目的にレコードを買いあさるばかりでなく、自分の好きなレコードを探してきてかけるという時代、なのか思いきや、レコ店のキャプションには"DJ Krush Play"とか、"DJ Kensei Play"等のキャプションが目立つ。結局は、"Follow the Leader"(と、Rakim風)なんだと、DJのオリジナリティを問うてみる。
99年は、初期Mary Joyの集大成的な一年になったと思う。そして、シングルやコンピ参加だけではなく、フル・アルバムを発表できるアーティストが登場した。この年まずは、Shing02の"脱皮 (ecdysis 日本語版)"を聞いたのが衝撃だった。彼も試練を乗り越え、そして脱皮したのだ。"Tags of the Times 2"と"Beyond Real Experience"の同時発売、blastの「付録」制作などで、僕も一皮むけたと思う。メディアとのつきあいは永遠のテーマかもしれないが、こちらで出来ることは100%やった上でないと文句は言えないだろう。5月にCMAが"Overall"を、6月にMursが"Good Music"を、10月にElighが"Gas Dream"を、そしてShing02が"緑黄色人種"を発表した。そして、8/12のLiquidroomでのショウはレーベルにとって分岐点になったと思う。Liquidroomには常に感謝しっぱなしだ。
インターネットの普及で、自主制作作品の売買が誰にでも簡単に出来るようになってきた。日本に居ながらして、NYの無名のアーティストのテープや、ウエストコーストの新しい人達のテープをある程度までなら買えるようになっていた。またカセットから進化した「CDR」版も常識的に。Fool BlownとAtakというサイトが熱く、その後もいろいろなサイトが出来た。NYではAesop Rockが"Apple Seed"(CDR)や"Earth Warm"(カセット)を自主で発表。年の瀬にはHaiku De'Tatが1st CDを発表したほか、Project Blowed関係のCDRも多く買えるようになった。Mary JoyのWeb Siteでもそんな感じの自主制作モノを集めて通販をやっていた。またそのうちcdなど集めてshopを復活するようなことがある、とかないとか。
「時代のタグ」というネーミングの計画、"Tags of the Times"は、Mary Joyの活動の上で重要な役割を担ったコンピ・シリーズ。第一弾では、Shing02やMursがそれぞれ日本での活動の第一歩を踏み出した。当時は、DJ Kenseiが手掛けたミックス・テープ"Cuts of the Times"のカルト・ヒットが、"Tags of the Times"の評価に繋がったと思う。"Tags..."に収録されていた12"や、それに関連する12"等を買い集めるDJ達をよく見かけた。"Cuts.."は多くのDJに影響を与えたと思う(1996-1999年頃にHip Hop DJを極めようとしていた人には特に)。2月に、Shing02が処女シングル"日本性事情"を発表したのが記憶に新しい。4月には、Shing02とBas-1が都内某所&大阪某所をゲリラ・ライブするという、ゲリラ・ツアーを実施。J-Waveや、Harlem、Yellowなどいろんなところに出没した。12月のPearl Harborのリリース前に、根性系のスペシャリスト三船宏志がチームに加入。12月は修羅場だった。blastに初めて「付録」という本を付けようと、本を作ったのだ。12/31に恵比寿ガーデンホールで行われたLiqudiroom主催のカウントダウン・イベントで、Shing02とTerracottaのギタリストCapitalがDJ Kenseiのゲストとして参加。1999年のカウントダウン直後に、"応答セヨ"(アカペラ)と"Japonica"を披露した。
98年は、Aceyalone "Book Of Human Language"や、Rhymester "リスペクト"などが発表されている。日本ではこのころからStones Throwが大人気。Rascoの12"は殆ど日本で売れたんじゃないかな? Grooveという雑誌のコラムをきっかけに、渋谷にあった優良レコード・ショップMr. Bongoの栗原 大 氏(現在は、Tri-Eight Recordingsをプロデュース)と仲良くなって、DJ Kenseiと3人で運ぶ音協会(当初は箱舟協会だったが後に僕が勝手に改名)を発足。趣旨は、良い曲を未来に伝えようという趣旨で、試聴会したり、ラジオに出たり、雑誌用にレコード選んだり等。
"True Underground Hip Hop"は"Tags of the Times"シリーズの前身にあたり、12inchでしかリリースされていないインディ・ヒップホップの秀作を探して、レーベルにコンタクトとったりして編集したコンピ。Mikidozanと山本さんからShing02の"絵夢詩ノススメ"というカセットepを入手。初夏のSan Francisco / Bay Areaへと赴き、Shing02と出会った。彼にLiving Legendsを紹介され、Mursに"Tags of the Times"への参加を依頼した。秋にNYでShing02とMursと待ち合わせして、Ozoneスタジオでフリースタイル・セッションを録音したり、作品のリリースの事について話し合った。E.G.G.Manは、僕がSoul Screamのツアーを手伝っていたという流れで実現したソロ・プロジェクト。
97年は、Company Flow "Funkrusher Plus"、Atmosphere "Overcast"、Abstract & Tribe Unique "South Central Thynk Taynk"、Latyrx "The Album"などがインディー・レーベルから発表されている。彼らは今ではインディーズのヒップホップを牽引している存在だ。NYではMos Def、Reflection Eternalなどを排出したRawcusが、ストリート・チームを雇って街中にステッカーやポスターを貼りまくっていた。一方、Bobbito GarciaがマネージメントするFondle'emは、広告を出さない、プロモーションをしないって事を公言していて、全く対照的なスタンスだった。この時期、「アンダーグラウンド」は軽い流行語になっていた。だが本質を捉えようとしないメディアの扱いに対して少し苛立っていた。渋谷に大型のHip Hop専門箱 Harlemが出来て、渋谷近郊だけでも、Cave、Terminal、Family、Asia、Bed、Organ Barなど色々なクラブやバーのどこかで、毎晩Hip Hopのパーティが行われていた。週に4日くらいクラブに行っていた。
当時は在学中だったので、限られた時間の中でとりあえずやってみた、という感じである。NYの老舗レーベル、Wild Pitchのライセンスを取得し、Main Sourceのお蔵入り音源を含む"The Best Of Main Source"を編集したり、DJ KenseiにWild Pitch音源を使ったミックス・テープを依頼する等。DJ Kenseiは最初の貢献者/理解者であり、レーベル初期に彼以上に助けてくれた人は居なかった。クラブには毎週のように通っていた。夏に遊びに行った六本木のクラブで、偶然にもShing02のライブを見て打ちのめされた。
96年は、DJ Shadow "Entroducing..."や、OutKast "ATLiens"、De La Soul "Stakes is High"等が発表され、A Tribe Called Questは"Beats Rhymes & Life"で劇的な進化を遂げた。Puff DaddyやTrack Masters、Dr. Dreなどといったトップ・プロデューサーがヒット・シングルを量産。一方で、Company FlowやBlackalicious、Juggarnotsらを始め、インディペンデント・レーベルから多くの才能が排出されている。二極化の始まりのようである。ウエストコーストでは、ベイエリアでLiving Legendsが結成され、自主制作精神が広まりだした。この年、Shing02は処女作 "絵夢詩ノススメ"を録音している。日本では、NYから帰還したブッダ・ブランドが活躍し、"さんぴんcamp"もこの年。また、Rhymeheadがシングルを、Soul Screamがアルバムを発表。
そもそものきっかけは、ミュージックマインというインディ・レーベルばかりを運営している会社でアルバイトしていて、ある日Hip Hopのコンピを担当することになったことである。DMR(dance music records)の岡本さんがコンピ用に選曲したのがきっかけで、12"でしか出ていなくてDJでなければ聞けないような作品ばかりをCDにするのは面白いと思った。その後、レーベルとして続けていくとは考えていなかった。
この年は、Mobb Deep "Infamous"、Aceyalone "All Balls Don't Bounce"、Goodie Mob "Soul Food"等が発表され、Bad Boyレーベルが本格的に台頭、そのお陰でR&Bを聞いていた女性もHip Hopを聞くようになった。音楽は空気や雰囲気にも左右されるもので、NYではMobb DeepやBoot Camp Clik、Brand Nubianなんかが格好良く聞こえ、ロサンゼルスでは、ハイログリフィックスや、Nonce、Ganja K、George Clintonなどが格好良く聞こえた。日本では、Lamp Eyeが"下克上 / 暗夜行路"を発表し、キングギドラが"空からの力"を発表。DJ KenseiがDJをしていた西麻布Juiceのコミュニティが熱かった。まだHip Hop自体がアンダーグラウンドな存在だったので、メジャーやインディという区分けは意味が無く、レコード屋でもそういう区分けはなかった。
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